苗字から家紋がわかるアプリをAIでつくった話|継紋
「うちの家紋って、どんな形なんだろう」。お墓や着物で見たことはあっても、くわしく知らない人は多いと思います。
わたしは、そんな家紋をもっと身近に感じてもらうために、アプリ「継紋 TSUGIMON(つぎもん)」をつくりました。苗字や写真から家紋を引き、その紋に人の姿を与えるアプリです。
結論から言うと、このアプリでいちばん考えたのは「昔からあるものに、いまの楽しみ方を足す」ことでした。この記事では、その考え方と、つくってみてわかったことをお話しします。
継紋 TSUGIMONはどんなアプリか
継紋は、次の2つができるアプリです。
- 苗字や写真から、家紋を引く
- 引いた家紋に、人の姿を与える
家紋は、もともと家のしるしです。形には、植物や道具、動物など、いろいろなモチーフがあります。その一つひとつに、人の姿を重ねることで、家紋が「キャラクター」のように感じられるようにしました。
なぜ家紋をテーマにしたのか
家紋は、日本のたくさんの家に受け継がれてきたものです。それなのに、ふだんの生活で目にする機会は少なくなっています。
わたしは、ここに次のような可能性を感じました。
- 苗字はだれにでもあるので、入口が広い
- 「自分の家の話」なので、自分ごととして楽しめる
- 形がきれいで、見た目でも楽しめる
家紋そのものは昔からあるものです。でも、「人の姿を与える」という見せ方を足すだけで、若い人にも楽しんでもらえる形になると考えました。
どう考えて形にしたか
継紋をつくるときは、次の順に考えていきました。
- 家紋を知らない人でも、迷わず使えるようにする
- 苗字を入れるだけ、写真を見せるだけ、の短い手順にする
- 家紋の形やモチーフの意味を、短い言葉で伝える
- 人の姿は、紋の雰囲気が伝わるように考える
なかでも気をつけたのは、使う人の手間を減らすことです。家紋にくわしくない人に「紋の名前を入れてください」と言っても、答えられません。だから、だれでも知っている「苗字」や、手元にある「写真」から始められるようにしました。
つくってわかったこと
「自分の家の話」は、人に話したくなる
家紋は、自分だけでなく、家族や親戚にも関係する話です。結果を見た人が、家族に「うちの家紋ってこれなんだって」と話したくなる。そんな会話のきっかけになるものは、自然と広がりやすいと感じました。
伝統を扱うときは、敬意を忘れない
家紋は、多くの家が大切にしてきたものです。楽しく見せることと、ふざけることは違います。キャラクターにするときも、紋の由来や雰囲気を大事にするよう意識しました。
入口は短く、中身は深く
使い始めるまでの手順は短く。でも、紋の意味や背景を知ると、もっと深く楽しめる。そういう二段がまえの形が、長く楽しんでもらえるコツだと思っています。
見た目で楽しめるものは、伝わるのが早い
家紋は、もともと形がきれいなものです。そこに人の姿が加わることで、説明を読まなくても、ひと目で「おもしろそう」と感じてもらえます。
文章で説明しなければ伝わらないものより、見た目で伝わるもののほうが、人に広がるスピードは早いと感じました。とくにSNSでは、まず目に入るのは画像です。自分のサービスの中に、見た目で伝えられる部分がないか考えてみると、新しい届け方が見つかるかもしれません。
あなたの事業に置きかえるヒント
継紋の考え方は、「昔からあるもの」を扱う仕事にも使えます。
- あなたの業界に、昔からあるけれど、いまの人に届いていないものはないか
- それに、いまの楽しみ方を一つ足せないか
- お客さんが「自分の話」として受け取れる入口はあるか
たとえば、和菓子屋さんなら季節の由来を、着物屋さんなら柄の意味を、短く楽しく伝えるだけでも、お客さんとの会話が生まれます。新しいものを一からつくらなくても、見せ方を変えるだけで届く相手が変わることがあります。
まずは、自分の業界で「昔から当たり前にあるもの」を書き出してみてください。その中に、いまの人にはあまり知られていないけれど、見せ方しだいで楽しんでもらえるものがあるかもしれません。
まとめ
継紋 TSUGIMONは、家紋という昔からあるものに、「人の姿を与える」という新しい楽しみ方を足したアプリです。
- 苗字や写真など、だれでも持っているものを入口にする
- 伝統を扱うときは、楽しさと敬意の両方を大切にする
- 入口は短く、中身は深くする
あなたの仕事のなかにも、見せ方しだいで輝くものがきっとあります。AIを使えば、その「見せ方」を試すハードルはずいぶん低くなっています。
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