ターゲットの決め方|個人事業で「誰に売るか」を絞る手順
「できるだけ多くの人に届けたい」と思って、ターゲットを広く取っていませんか。誰にでも合うように説明すると、かえって誰の心にも届かない。これは起業したばかりの人がよくぶつかる壁です。
結論からお伝えすると、ターゲットは「年代や性別」ではなく「どんな状況で、何に困っている人か」で決めるのがおすすめです。そして最初は、具体的な一人が思い浮かぶところまで絞ってみてください。
ターゲットを絞ると伝わりやすくなる理由
ターゲットを絞ると、お客さんが減ってしまう気がするかもしれません。でも実際には、絞ったほうが届きやすくなります。
理由は、読む人が「これは自分のことだ」と感じられるからです。
- 「健康になりたい方へ」より「デスクワークで夕方に肩が重くなる方へ」のほうが、当てはまる人は立ち止まります
- 「起業したい方へ」より「会社員をしながら、週末に小さく始めたい方へ」のほうが、具体的に想像できます
わたしは理学療法士として、一人ひとりの状態を聞いて、その人に合う形を考えてきました。同じ「腰が痛い」でも、原因も生活もまったく違います。事業のターゲットも同じで、一人の状況をていねいに想像するほど、伝える言葉がはっきりしてきます。
ターゲットを決める4つのステップ
ここからは、具体的な決め方を順番に紹介します。
1. 自分のサービスで助かる人を全部書き出す
まずは広くてかまいません。自分のサービスで助かりそうな人を、思いつくだけ書き出します。「子育て中の人」「開業したばかりの人」「パソコンが苦手な人」など、ざっくりした書き方で大丈夫です。
2. 「困っている状況」で言いかえる
次に、それぞれを「どんな状況で困っているか」に言いかえます。
- 子育て中の人 → 子どもが寝たあとの1時間しか自分の時間がない人
- 開業したばかりの人 → 開業届は出したけれど、何から集客すればいいかわからない人
状況で書くと、その人がどんな言葉で検索するか、どんな言葉に反応するかが見えてきます。
3. いちばん力になれる人を1つ選ぶ
書き出した中から、自分がいちばん力になれる人を1つ選びます。選ぶときは、次の点を考えてみてください。
- 自分の経験と近いか
- その人の気持ちが想像しやすいか
- お金を払ってでも解決したいと思っていそうか
4. 一人の人物として書いてみる
最後に、その人を一人の人物として書いてみます。名前は仮でかまいません。
- どんな毎日を送っているか
- いちばん困っていることは何か
- これまでどんな方法を試して、なぜうまくいかなかったか
- 解決したら、どんな気持ちになりそうか
ここまで書けると、サービスの説明文やSNSの投稿を考えるときに「この人に向けて書けばいい」と迷わなくなります。
絞るのが怖いときの考え方
ターゲットを絞るのは、勇気がいります。「ほかの人が来なくなったらどうしよう」と不安になるのは自然なことです。
でも、ターゲットを決めても、ほかの人を断るわけではありません。言葉を届ける相手を決めるだけです。実際には、絞った人の周りにいる「少し近い人」にも、ちゃんと届きます。
また、ターゲットは一度決めたら変えられないものでもありません。始めてみて、実際に申し込んでくれた人を見て、少しずつ調整していけば大丈夫です。むしろ最初に決めておかないと、何がよくて何がだめだったのか振り返ることができません。
よくある失敗
ターゲットを決めるときに、よく見かける失敗も紹介しておきます。
- 年代と性別だけで決めて、困りごとが書かれていない
- 自分がやりたいことに合わせて、困っている人を後からつくっている
- 理想のお客さん像が立派すぎて、実在しそうにない
迷ったら、知り合いの中に「この人」と言える人がいるかどうかで確かめてみてください。実在する一人が思い浮かぶなら、そのターゲットはきっと現実に近いはずです。
決めたターゲットの使い方
ターゲットが決まったら、事業のいろいろな場面で使っていきます。
- サービスの説明文を、その人に話しかけるつもりで書く
- SNSの投稿テーマを、その人の悩みから考える
- 新しいメニューを考えるとき、その人が喜ぶかどうかで判断する
迷ったときに立ち返れる「この人」がいると、判断がぶれにくくなります。書いた人物像は、目につくところに置いておくのもおすすめです。
まとめ
ターゲットは「多くの人」ではなく、「具体的な一人」から始めると伝わりやすくなります。
- 年代や性別ではなく、困っている状況で考える
- いちばん力になれる人を1つ選ぶ
- 一人の人物として、毎日や悩みを書いてみる
- 始めてから、実際のお客さんを見て調整する
誰に届けるかが決まると、価格やサービス名も考えやすくなります。自分のターゲットがうまく言葉にならないときは、人に話しながら整理してみるのもよい方法です。
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